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執筆者の写真yoko kobayashi

不思議体験

更新日:2023年1月21日

「サンニン」とは果たしてどんな意味なんだろう?ただ単に3人編成だからなのか、

はたまた何かの略語?

もう一年半位前のことになるかと思うけれど、中野スイートレインのyoutubeにアップされていた「サンニン」の演奏を聴き、これは面白い!次回は是非聴きにいきたいとずっと思っていた。



このところ、10年後にはもしかしたら日本は戦争に加担してるかもしれない、少子化は進む一方、今の子供たちは大変な日本の将来を背負っていかなければならない、などの思いからか、胸が何となくザワザワしている。


周りのきれいな景色を見て歩いていても、これも幻想かもなって思ったりする。

すっかり変わり果てた光景が浮かんだり、時系列がおかしい気もする笑。


私自身が演奏できていることも、幻想なら幻想で、プカプカ浮いてればいっかぁ、

至る所で今日も素晴らしいLIVEが行われているであろうこと、聴きたい音楽を聴きにいける現実?はとても幸せなことだと、スイートレインに向かう途中でも強く思った。



2023.01.19

サンニン

細井徳太郎gt 津上研太as 秋元修ds @ 中野スイートレイン



「サンニン」の音楽を聴き、何から記そう?と思うと、どうしても話を遡らせなければならない。

この不思議な体験はやはりしっかり残しておきたい。そう思った。



「三億円事件」を覚えている人はどのくらいいるのだろう。私も小さな子供だったけれど、あのモンタージュ写真はしばらく頭から離れなかった。

時効が成立し未解決で終わっているが、人を一人も傷つけていないことから、ヒーロー扱いもされたと記憶している。



そしてその後、この昭和最大の未解決事件を題材にし、強奪犯の屈折した心と挫折を描いたテレビドラマが放映されたのだけれど、これも覚えている人は少ないだろう。主演は沢田研二。錚々たる役者さんたちでキャスティングされていたと思う。

オープニング映像は、表参道が原宿駅側から映され、日光が照りつけた地面から立ち上る気によって、表参道にかかる歩道橋はぼやけて見えた。印象的な夏のシーンだった。

屈折した人の心の描写に、当時の私は少々恐怖とショックを感じていたと思う。



そしてそのまた後に、私は音大生となり、大学内でのレッスンとは別に、師の自宅へレッスンに伺うことも度々あり、原宿駅で降り、以前に見た怖くてドキドキするオープニングシーンと同じ光景を目にしながら、怖ーい緊張しっぱなしのレッスンに4年間通うことになる。心はザワザワしていた。



それから長い長い時間が経ち、三億円事件のこともテレビドラマのこともあの表参道の夏の光景も、あの道を歩く時のザワザワ感も、当然のごとくすっかり忘れていた。


めっちゃ昭和の話だもの。



2023.01.19 「サンニン」の音を大好きな音場スイートレインで聴く。


曲はそれぞれのオリジナル曲を持ち寄って演奏された。

ワクワクするその音楽は、聴いていてとても心地良く、曲自体も面白い!展開もゾクゾクするほどイカしてる!

楽しい!


だけでは終わらなかった。



何故だか分からない。

三億円事件もドラマももちろん知らないであろう平成生まれの細井徳太郎氏と秋元修氏の音楽からとても懐かしい昭和の匂いを感じ、

昭和生まれの津上研太氏の音から令和の匂いが漂ってくるのはどういうことなのだろう。



昭和だから音楽が古いとか令和だから新しいとか、そんな話ではない!



聴いている内に、私がすっかり忘れていた、この日が無ければ一生思い出しもしなかったであろうモンタージュ写真と昭和の夏の表参道の陽炎と、屈折した人の心を描いたドラマが、ぱちぱちとシャッターを切るように目の前に現れた。

目を瞑って聴いているとより鮮明に現れ、鳥肌が立つ。


考えてみる。どうしてなんだろう?

彼らは、過去に見たこともない景色、感じたこともない空気の匂いで遊んでいるのだろうか?

そしてこれから見るであろう景色、感じるであろう匂いを察知して遊んでいるのだろうか?




おまけに私が今いる所は原宿の「ペニーレイン」だとさえ思えてきた。

この日が無ければ一生思い出しもしなかったであろう懐かしい店名だ。

細井・秋元両氏はもちろん、おそらく研太氏も大の吉田拓郎ファンでもなければ、ここは知らないだろう。

ペニーレインにサンニン、特にこの瞬間はguitaristがそう思わせた。吉田拓郎よりこの場所が似合っている。



再び考えてみる。

やはり彼らは、見たこともない景色、感じたこともない空気の匂い、体験したこともないことで遊んでいるのだ。

凄い!



この不思議な体験はきっと忘れないだろう。

お店を出ると、私のそれまでのザワザワ感はすっかり無くなっていることに気づく。



あれはほんとに昨夜のことだったのだろうか?

今がいつの時代なのか、現実なのか幻想なのか、「サンニン」とは意識を散乱させる人たちのことなのかもしれない。


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演奏後に、秋元修氏の一番新しい作品を購入する。

それが何とカセットテープなのです。

不思議な一日。





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※drummer秋元修氏とは、4/22(sat.)にbassist小美濃悠太氏とpiano trioで共演させていただきますが、今から楽しみだけれど、もしかしたらこれも幻かもしれない。

と思い、スケジュールを見直しちゃったりなんかする。

大丈夫だ。他の行う全てのLIVE日程もちゃんと記されている。











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