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執筆者の写真yoko kobayashi

夜のジャズ理論講座 : 南博×大谷能生

もちろんある程度のジャズ理論は解っているつもりなので、ジャズ理論が目的ではなく、私が思うちょっと変人の素晴らしい音楽家の講座にとても興味を持って行ってきた。

変人と言うと失礼かもしれないけれど、私にとっては変人音楽家の音楽やお話はとっても興味のあるところなのだ。


思えばもう25年程前のことになるかな、JAZZ LIFE誌をパラパラとめくっていたら、

あるページの隅っこの小さな小さな広告欄に「パトロン求む」の文字が飛び込んできた。

確か2度見したと思う。マジで南さんの「パトロン求む」だったのだ。

広告欄じゃなくて求人欄になるのか。


そりゃぁパトロンって芸術家などの後援者のことだけど、一般的に経済的な支援をする人のことで、必ず見返りってものが付いてくるとイメージしてしまうのは私だけだろうか笑


帰国されたばかりの頃だったと思うから、米国と日本ではニュアンスが違うのか、

などとどうでもいいことを思ったりしたけれど、ピアニスト南博という活字の印象は、

とても変人で、変人=奇才というイメージでもって、当時何度も南博氏の出演されている所によく足を運んだものだ。素晴らしい演奏を何度も拝聴した。

「白鍵と黒鍵の間に」ピアニスト・エレジー銀座編(小学館)は周知のことだと思うけれど、

あの「パトロン求む jazz pianist 南博」の一行を見た人はどれだけいるんだろ。


奇才に違いない、と直感したっけな。衝撃的だったなぁ。




さて、「夜のジャズ理論講座:南博×大谷能生」vol.2 @ 下北沢Apollo



何とも言えず心地よい時間を過ごすことができた。

来月も予定されているようなので興味のある方はApolloのHPをチェック(確か下旬だったような。まだ日程未掲載のようです)



ただ単にジャズ理論をあれこれ説明するのではなく、その時代に特有の社会的・文化的背景を添えながらの2時間はあっという間だった。

ご本人たちも休憩をはさむことを忘れてたようで、終わってからの質問コーナーでは、またまた興味深い質問が飛び交ってたっけ。

それに対してお二人の答え方の妙は、更に話に引き込まれるはめになる。



サッチモとエリントンの関係とか、gospelとbluesの事実上の反目だったり、

その辺りのことはもちろん興味深いことではある。とても面白い。




だけど、私の中で終始ウケる出来事は、全て理論の話の時に起こっていた。

この先も続いていく講座なので、詳しい内容についてはお話できませんが、

ほのぼの話を少々。


「Chord Name」は和製英語でほんとは「Chord Symbol」ということや、南さんは子供の頃は

理解していた「嬰へ長調」というワード、そんなこと言われても今は全然ピンとこない等の話の流れから、


基本的に音楽用語は英語を使います、世界共通にしてほしいですって言っておきながら、

最初から最後までずーっとド・レ・ミって言ってるし大谷さんも五線ホワイトボードにはド・レ・ミってしっかり書いてるし、、、(ド・レ・ミは日本語カタカナだし日本語で正確に言うならハ・ニ・ホだし、Do・Re・Miはイタリア語だし)

ネタなのかって思ったけど、どうもそうではないらしい。至って真剣なのだ。

おもろすぎる笑 



「エオリアン」と発音してボードに書く「Aeolian」、その文字はもう横に這ってるムカデにしか見えなくて、何て書いてあるか全然分らんし笑笑

「Harmonic Minor Scale」って書いた時は、それももう象形文字みたい、まぁこの習性が色濃くでるのは大谷さんでしたよ。



だけど受講してる皆さんは、見慣れていると言わんばかりに一斉にすらすらとノートに書いてる。

えー?!このチームワーク?凄すぎる。



何だかすごーく良い講座だったなぁ。

昨日は2回目の講座だったけれど、一回目を受講してなくても十分楽しめる内容になっていましたよ。


3回目から受けても何の問題もないと思います。予約制なのでお早めに。



そういえば、あの頃、パトロンは見つかっていたのだろうか笑










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