ブランクもあり何年もの間バンドというものから遠のいていた私は、結成当初、戸惑うことも多かったと思う。LIVE観みたいなものも失っている気がしてならなかった。
音がバランス良く聞こえる、というのがどんなだったかもピンとこない、演奏中こんな時どうするか?と一瞬でも思おうものなら、もう曲は先に進んでいる。
今私はどれほど勘もきかなくなり、どれほど瞬発力も衰えているのかさえ分からない、これが現実だった。
前もってのリハーサルの日にこんなことを感じたように思う。
話は前後するが、コロナ禍には、普段なかなか出来ないこともやってみたり、考えたり頭に浮かぶこともたくさんあった。このTEAM TUCKSのメンバーもそんな中、何の迷いもなくパッと浮かんだ面々。私が浮かんだのはもう膨大な音楽経験をしてきた強者ばかりだった。
それぞれがどのように素晴らしいかなんて言わずもがな、もうご存知の通りで、ここでは控えさせていただくとして、
こんな素晴らしい面々でBAND(quartetでの演奏)ともなると、普通だったら勇気もいるし、怖くなって躊躇もするところなんだろうけれど、復帰後の私は怖いもの知らず、思い立ったが吉日で、すぐその日に皆に連絡を取らせてもらった。
quartetを率いる自信など全くなかったけれど、素材(オリジナル曲)さえしっかりしていれば、この面々だったら必ず音楽は成り立つという自信だけはあった。
リハーサルの日には、皆との再会に感激する間もなく、これから始まる物語をどう進めていこうか、その時の私は10年後のTEAM TUCKSを思い描いていたように思う。
10年後??後7年と半年、
だから私も含めて皆にも元気でいてもらわなくちゃ困るのだ。
けれど、もっと早くに結成すれば良かったとはこれっぽっちも思っていない。
何故なら今の私がTEAM TUCKSで演りたいと思う音楽は、ずっと以前には描けていないものであったし、今だからこそ皆も即GOサインを出してくれたのだと思う。
次から次へと新曲を持っていき、そのことに関しては申し訳なくも思っているが、
これは他の自己UNITに関しても共通して言えることだけれど、今私が創作意欲が極端に湧いているからではなく、皆の音楽がプレイが、常に私に発想や刺激を与えてくれているからだ。
結成から2年と半年が経った。唯一100%私のオリジナルを演るUNIT、
譜面ファイルはThe Third Tribe, Tone Momentum と同じくらい分厚いが、
その100%が私のオリジナルであるTEAM TUCKSの皆には、より大変な思いをさせているのかもしれない。しかもsax泣かせと言われる全音符でのメロディーの曲も少なくはない。
フロントsaxophonist多田誠司氏には特に感謝もしている。
時々肩ふるわせ笑わせてくれるbassist加藤真一氏のプレイは、長い間いろんなバンドに引っ張りだこの訳を教えてくれているようでもある。
詩人のdrummer角田健氏との相性もいいんだろうと思う。つの健さんはアイディアマンでもある。
この異色すぎるほどの異色の面々が織りなす珍道中、
この先どんな光景が見えてくるのか益々楽しみに思えてくる。
まだまだ3合目、ただこの3合目にて十分に足取りも軽く、
休憩もほどほどにずんずんと歩き始める。
TEAM TUCKS、それはきっと私にとって憧れのバンドなんだろうな。
暢気、篤実、お茶目、やんちゃの旅は続く.......。
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