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執筆者の写真yoko kobayashi

秋リリース予定のsolo albumの中に素敵な絵

画家・内田美代子



2016年の引っ越しを前にして私に残った唯一のもの、それは手書きのオリジナル曲の譜面だった。

ゴミ焼却炉行きになりそうなこれらを私はどうしても守りたくて、スーパーでもらってきた目の前にある「カルビーポテトチップス」だったか「ペヤングソース焼きそば」のどちらか記憶は朧気ではあるけれど、そう書かれた段ボール箱に一心不乱に詰めた。



「急いで送らなければ!」 手が震えていたのを今でもはっきりと覚えている。


行先は新潟にある長年の友人のアトリエだった。 ほとぼりが冷めるころ、無事私の下に戻ってくることが出来たけれど、思えば、譜面たちも広いアトリエ在住の方が住まいとしては幸せだったかもしれない。


しかしながら、彼女がこれらを大事に預かってくれたお陰で、今こうして古いオリジナル曲も共演者と演奏することが出来ている。

こんなことがサラッと言えるようになった私は、ほんとに強くなったと思う。自分でも驚く。


両親には普通に不自由なく育ててもらい、3~4歳のころからず~っとピアノを弾いてきた私が、ピアノを弾くことしかできなかった私が、突然身一つで原っぱに投げ出された。 それまで生きてきた音楽人生をも全否定されたような気がしていた。 感情というものを無くさないと生きていけないのだということを思い知った。



そんな私がとても元気になり、今回ソロアルバム制作を決めたのには、いろんな思いがあり、今回のアルバムに、譜面の恩人でもある、画家・内田美代子氏に関わっていただけたことは本当に感慨深い。


あの頃より、思いを共有してきたようなところもあり、 私が、アルバム全体を現在の気持ちでイメージし、イメージするというより、頭の中・心の中はいつも森の向こうを目指し歩いていた。

自然と曲が出来ていく中で、彼女も同時進行で作品に取り掛かっていた。

今回のアルバムには、新しく書いた曲4曲を含む全オリジナル8曲とimprovisation 1曲を収めることに決める。 予定していた曲全部を収めることが出来、それはもう奇跡に近い。

そして、彼女の作品(実物は横115cm 縦55cm)はいつしか個展によって皆の目に触れることとなり、 旅だっていくんだろうな。

その前に、小さな写真となって私個人のアルバム内で独り占めさせていただく。

◆写真はおそらく4年前、新潟にて。 撮影:画家・内田美代子

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