空は高く、じっと見ていると目が痛くなるほどだった。
2017年のはじまりだ。
図鑑で見たことのあるような鳥が道路をつついている。
人が歩く気配を感じたのか、元気いっぱいに飛び立っていった。
記憶というのは何だか不思議なもので、
音楽に実際に身を置いていたときには当たり前だと思っていた風景が、
離れてみるともう二度と手にすることのできない遠いものに感じ、
ところが、環境も変わっていないのに、今ではすぐそこに見える気がしている。
気が付くと、映画の中のワンシーンみたいに、
数名の誰かが演奏している様子が浮かんでいたりする昨今である。
鳴っているのは温かい弦楽器の音色か.......。