ほとんど顔も上げず、ただ毎日呼吸をし、一日一日を終えるしかなかった。
自分がどこにいるのかも分からず、正しい方向に向かっているという確信も持てなかった。
私自身で物事を決めることもできず、目にするものは全て、まるで実態のない無意味な背景画のようだった。
それでも昨年後半には、自分で決め、自分の足でホールまで出向き、ピアノを前にし、
指を動かし、音に集中することだけは忘れていなかった。
前にも後ろにも何も見えない中、
私は演奏するんだという気持ちだけは、心のどこかに持ち続けていたということ、
そのための努力は続けてきたこと、よくそんな力があったと不思議に思う。
新しい年を迎え、後は前進あるのみ。
思いっきり深呼吸をする。
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