多くのことをパソコンで出来る現代、私は譜面だけは手書きするのが好きだ。
五線紙の匂い、写譜ペンのインクの匂い、何より人の手を介してのものは、
温かさを感じる。
オリジナル曲の直し作業をしていて、譜面を書くのはまた久しぶりなんだけれども、
以前に感じた懐かしさだったり、私はまだ音符が書けたんだ等の何とも情けない感情はなく、むしろこの2年がぷっつりと消えたような、そんな一瞬だった。
生まれてからずっと当たり前に存在していた環境が当たり前でなくなった日から、今まで感じたことのない不思議な感情の数々は、これまた経験だ。
