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歳を重ねるごとに、体力は衰えていくけれど、近頃「ああしなければならない、こうしなければならない」から解放されて、日常の何気ないことも楽しめるものなんだと強く感じている。

私の人生の大半をしめる音楽において、若い頃には自分の下手なピアノに向き合っているのに耐えられず、無意味な焦りを感じたり、今日は何時間練習しなければならないなどと常に考えていた。日常の雑用に費やす時間をいかに短縮するかに神経をとがらせていた。

演奏に出かける時も常に(当時)ウォークマンとヘッドフォンを手放せず、現代人のスマホと同じだ。

かっこいい音符やフレーズ、唸るようなリズムにワクワクしていた。

同時に、私にはどんな練習が欠けているのかなどと、悩みは絶えなかった。

ワクワクしているのは今も同じで、音楽の悩みも絶えないけれど、少しはマシになったピアノに向き合うことに耐えられるようにはなっている。「音楽家のジストニア」という悪夢からどうにか逃れられたことも良い方向へのプロセスとなり、ピアノはこうやって弾くんだぁと理解できたつもりでもある。向き合い方も変化したような気がする。

要するに、ピアノ対私の戦いではなくなったということなのだろう。

残りの人生をどう生きるのかは、大事なテーマである。


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