
練習の途中で、何気にCDラックの中の整理を始める。
「何がどこにあるか分かりやすくしよう。」と試みる。でも案の定、こんなのあったっけ?と、片っ端から聴きだす羽目に.....。中には封を開けていない数枚も出てきたけれど、
どれも数秒聴いては次へ次へとリモコンを操作する。
音楽を聴いても何も感じなくなってしまったのかと不安にもなるけれど、
妙な不満感も残り、やはりそれはあくまでもCDだからだと自分に言い聞かせる。
「そうだ、自分が演りたい音楽を演奏するというより、自分が聴きたい音楽を演奏すればいいのだ。」と思いは急に飛び、整理されないままのCD棚のドアを閉じる。
そして改めて考える。残念ながら、私が聴きたい音楽を演奏することは今も出来ていない。
だからこそ、そう出来るように一生懸命になれるのだと思う。「なぜ音楽をやるの?」とこれまで何度も自分に問いただしてきた。その答えは少しずつ変化もしている。
ただはっきりと言えるのは、私が本当に聴きたい音楽には果てしなく遠く、けれどそれを途中で止める訳にはいかないのです。生きている心地のしない2年のブランクは、私が日頃思っている「強く、穏やかに生きたい。」という願いに、ほんの少し近づけてくれたようにも思う。