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小林洋子pianist

楽譜たち


現在の住まいに引っ越してくる際、私の財産でもある大量の楽譜、音楽関係の書物の

全てを、胸が引き裂かれる思いで処分した。

(オリジナル曲の譜面と耳コピした手書きの譜面だけは、一時東北に避難させた。グランドピアノも目黒を経由して今は軽井沢に)

理由は簡単、音楽でしか生きてこなかった私が、突然音楽ができなくなり、

当然のことながら生きていくだけのスペースの部屋に引っ越すしかなかったからだ。

世間一般で言えば恵まれている方であろうが、小さい時からピアノを始め、音楽を勉強できる環境にあり、音楽をやれる環境にあったものが、生まれて半世紀以上経ってから、突然、原っぱに投げ出された訳です。

あの頃、どうやって毎日を送っていたか思い出すことすらできません。

感情というものを捨てていたからだと思われます。

捨てなきゃ生きていけなかった。

最近、こんなことが言えるようになってきました。

それは、何にもなくても音楽が出来て幸せだからだと思います。

本日練習していて、ふと弾きたくなった曲の譜面を探そうとしたら、

そうだ楽譜はなかったんだと苦笑い。


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