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執筆者の写真yoko kobayashi

今の思い

ふと20代の頃のことを思ったりする。

音楽のことしか頭になく、がむしゃらにがんばっていたなぁと振り返る。

30歳になるころにはこのくらいの演奏ができるようになっていたい、

40歳になるころにはこんな風に弾けるようになりたい、

50歳になるころにはこんな音楽を奏でられるようになっていたい、

と、20歳そこそこの頃から、50歳を楽しみにしていた。


そして50歳は昔々の今、気持ちはあの頃と同じで、もっとこんな音楽ができるようになりたいと思っている。こんな気持ちでいられる今をとても幸せに思うし、驚きでもある。


先日久しぶりに楽譜売場に足を運ぶ。

あの頃のワクワク感と同じだ。処分しなければならなかった膨大な書物を取り戻すには、

もう時間がなさすぎだけれど、あの頃とは教則本の質や内容もずいぶんと進化していることにも驚き、中身の濃い分厚い5冊を購入した。


初心に戻って、あの頃やっていたようなことからやり直している。

ただあの頃と違うのは、正しい本の使い方、練習のどこに重きをおいて、

書かれていることを正しく理解しなければならない、ということを理解している点だ。

そして長年の音楽経験は強みである。


もう若い頃のように焦りはなく、ゆっくりと楽しみながら練習をし、

リハビリをすることが出来ている。


そして好きな音楽を聴いていると、その音楽に出会えたことも幸せで、

「あぁ、私いつ死んでもいいや。」と思う気持ちを経験した。


決して悲観的なのではなく、あのどん底から這い上がり、LIVE復帰できたこと、

コロナで制限はあるけれど、現在も継続できていること、

そして何よりいくつになっても常に進化を求め、

音楽と向き合っていられるこの環境・状況・心境をとても幸せに思う。


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