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執筆者の写真yoko kobayashi

今日一日

更新日:2023年11月8日

ちょっと早起きをした。

今日は休み。休日前夜の恒例行事である「家でグダグダ夜更かし」は昨夜も例外ではなかったようだ。

本日は午前中までたくさん寝ようと思ってたのに、休みの日に限っての早起きは子供の頃とおんなじだ。


いろんなことがいっぱい出来るって脳が勝手に勘違いするんだな、これが。


窓を開けたら、下方からの大通りを走るタイヤの擦れる音で、今日は雨なんだって分かったりして、そんな些細なことで、今日の始まりはいつもと変わらず平和だなと感じたりする。


そうこうしない内に、まるで舞台を観ているかのように、暗い雲がサーッと袖にはけ、真っ青な空が登場した。

この粋な計らいに思わず拍手(笑) 同時に生ぬるい風が入り込んできた。

何だか春一番みたいな風だ。どうしちゃったんだろうね、この気候。


そんなことを心の片隅で感じながら、結局は音楽のことずっと考えて一日が終わる暢気な私だ。


もっと老後のことを具体的に考えるとかないのか?って人にも言われるけど、そういえば昔々、師にも「ジャズなんてやっても食えねえぞ!早く結婚して台所でスイングしてればいいじゃない」って初回のレッスンで言われたっけなぁ笑

その方がきっと幸せになれると思うよって意味で、師なりの思いやりの言葉なんだけれど、「ここまで言ってもどうしてもやるっていうんだったら、もう何も言わないよ」と言ってレッスン受けさせてくれた。

いろいろあって、思いもよらないまさかの中断もあったけど、でもね、どうも今私は幸せみたいなんですよね。


将来の保障なんて何もないけれど、守るべきものも東日本大震災以降何も無いし、健康である限りは毎日を「着々と」とはいかないけれど、穏やかに生きたいものです。

「悠々として急げ」の時期は過ぎたと自分で感じていて、今は一つ一つの音楽を大事にゆっくり花咲かせたいなって思う。

ほんとはそんなにゆっくりしている時間はないのかもしれないけれど、気持ちがゆったりしてるってやっぱり幸せなんだなぁ。


ただ日常生活において今便利なものが多すぎて助かっているのは事実だけど、お願いだからこれ以上何も進歩しないでって言いたい。

これ以上進歩して果たして皆幸せになれる?物事を行う趣がどんどん削がれていくようで不安になりますよ。


外を歩いたりしてる時、ウォークマンをヘッドフォンで聴いていたのが、今ではスマホからヘッドフォン(Bluetooth)でSpotifyとか聴いてる行為一つ取っても、こればっかりは昔が懐かしく感じる。



そういえば最近、演奏中なのに、私は何もしていなくて、聞こえてくる音をただ聴いているだけ、という感覚にもう長い間なってないって思いだした。

滅多にない、過去に3回くらいあったと記憶している。

私自身が出している音も、誰かが弾いていて、ただそれを聴いている、そして重心が下へ下へと向かう感じ。

きっと皆にとっては当たり前のことなんだろな。やはり私は無心ではなく何かを気にして弾いてるってことなんだろう。


LIVE演奏に必要な最も重要なスキルは、演者自身が優れたリスナーであることなんだと思う。

音楽やれている間に、後数回でいいから、私は「ただピアノの前に居て聴いているだけ」を経験したいものだ。

こんなこの先経験できるかどうか分からない感覚のことを考えるだけでもワクワクするって、私ってバカなの?


そんなことを考えてたら今日一日があっという間に終わっちゃったじゃない。



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