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破壊力

執筆者の写真: yoko kobayashiyoko kobayashi

今、自分以外のmusicianのオリジナル曲の「楽曲研究」と言ったらとても堅っ苦しい感じがするけれど、言い方を変えれば楽しく興味深く向き合う時間も多く、なかなか良い日々を送っています。


このところ、ライブの中止だったり、共演者の体調不良でフォーマットが変わったりが続いていますが、そんな空いた時間を逆手に取り、楽曲研究と相成っています。


過去にこんなに人の曲に向かい合ったことはないかもしれません。

(人の曲というのは、共演させていただいている音楽家の曲という意味です)


中でもsax津上研太さんとのDUOユニットTone Momentumは、私にとってはある側面で非常に難しいことと、今年11月にはレコーディングも決まっているので、普段以上に気合いを入れているといった感じでしょうか。

(ライブ自体はもうここ3ヶ月出来てない状況ですが。)


津上研太さんは根っからのジャズマンだと思いますが、私はというとジャズとは遠からずも近からずという何とも宙ぶらりんなピアノ弾き故に困難なこともありますが、だから逆にやりがいもあり面白いんだと思います。



青色に黄色を混ぜたら緑色になるように、同じような色の音楽家が集まってもあまり面白みを感じない。


もちろん「共通する何か」はあってしかるべきだとは思いますが。

私自身は違っていても、共演者はジャズマンもしくはジャズとかなり深く関わってきた人と共に音楽を作っていきたい質で、要するに無いものねだりなのでしょう。



今までのリーダーアルバムとは勝手が違って、双頭UNITでのレコーディング故、お互いの曲を半半で収録します。

総勢2名のサックスとピアノ


私にとっては、自分の曲だけを収める過去のレコーディングとは大きな違いがあります。



人の曲に深く向き合っていると、時々怖くなってくる時もありますが、そこには確かに血が流れており、息づいています。

実際のライブでは既に息づいているものと向き合う訳ですから、ちょっとやそっとじゃ太刀打ち出来ません。



そんなことを実感できるまでにようやく辿り着いたところです。


共演者の曲や大好きなミュージシャンの曲からは、破壊力さえ感じます。

その破壊力は半端ない。

それに打ち負かされないだけの基礎体力をつけるべく、ピアノに向かい、人の曲に向き合う。


今はそんな感じです。


このところ同じくDUOで共演させていただいているguitarist秋山一将さんの音楽も然り。

このDUOでは秋山さんのオリジナル曲と秋山さんのvocalレパートリーを演っていますが、これがまた途轍もない破壊力からの静寂や幽遠さえ感じる曲たちで、「あなたなんかがちょろちょろ音出してる場合じゃないよ」って、もう一人の私が私に言ってきます。



それならばと、ジーッと曲と深く向き合わざるを得ません、ですがそうしたところでどうなるものでもありません。それは良く理解しています。


DUO編成では、ダイレクトにいろんなものが様々に聞こえてくるのか、上手く言えませんが、破壊力もさることながら、弾性力のようなものも痛感させられます。

長年の音楽経験からの賜物なのでしょう。



私もその日の音場で良い音楽を創っていきたいという志のもとやってきてる訳ですが、先は遠く、でも今私がやるべきことははっきりと見えていて、それに向かって今何の障害もなく取り組んでいけることが、日々の活力となっています。


一人の人間として音楽家として、力強く生きる上での音楽破壊力みたいなもの、

そんなものを身につけようとする理想は、まず私は生きる姿勢から開拓すべきなのでは?と思うと、テンションだだ下がりになるのも、いとおかし。

















 
 
 

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