top of page
執筆者の写真yoko kobayashi

昨夜LIVEレポご紹介

今年初めてのTone Momentum ライブでした。

1st.stage 終わって急に体調が悪くなり、共演者、しぇりるさん、ご来場の方々、配信をご覧いただいた皆様にご迷惑・ご心配をおかけしてしまい、心よりお詫び申し上げます。


1st.stageは良いアンサンブルだったと思います。2nd.津上研太さんのsax solo から始まりました。

Tone Momentum、recordingを目指し日々精進します。

.................................................................


昨夜のオーディエンス森下治生氏のライブレポをご紹介させていただきます。


「Tone Momentum」at 新子安シェリル 2024.1.25

津上研太(as)、小林洋子(p)


私にとっては、魔法の宝石箱のような、いろんな色がいっぱい詰まった、大切にしているデュオ。


1st.Set 1曲目は、洋子さんのoriginalで、"On Rainy Days"。

as.のロングトーンから入る。ピアノ、なんでこんなに深みがある美しい音なのだろう。曲も良いのだけれど、このピアノ、心に響いてくる。


津上さんのサックスは、大人の音の美しさ。聴いていて安心して音に浸ることができる。吹き抜いていく音の細かい震え、どこまでも響いていく高音の響き、そして自由に疾走する中音域の音の美しさ。


昔、HotHouse で初めて津上さんのサックスを聴いた。サックスを聴いて衝撃を受けた、初めての人だ。その頃は、津上さんの音を、硬くて、なんか、風貌もそうなんだけれど、哲学的な他を寄せ付けない音のように感じていた。

今でもその硬質な響きは変わらないのだけれど、少し音に優しさが含まれてきているような気がする。これはこのデュエットのせいなのか、年を経て津上さんが変化したのか、あるいは私の感覚が変わってきたのか、でも、音の強さと、その中にある美しさはずっと変わらない。


そのサックスの次には、やはり泣かせるほど美しいPiano Solo。一つ一つの音が、和音が、重い音なのだけれど、それでいて透明感のある美しさ、これは洋子さんにしか出せない音で、それが、洋子さん自身のオリジナル曲と、絶妙に合っていて心に響く。


2曲目は津上さんのOriginalで、”モザイクな景色"。なんでもテレビを見ていて、急に浮かんできたフレーズを急いで楽譜に起こした曲らしい。

美しいモザイクを積み重ねていく、抽象画のような曲。津上さんのサックスのしっかりした音に、安心して心を委ねられるような気持になる。


3曲目は、洋子さんの "Time Difference"。洋子さんの曲は、曲名が共感できるものが多く、演奏前から想像力が膨らんで、音が聴こえてくるような気がするものが多い。

津上さんの説明によると、違う時間が同時に流れている、そんな感じの曲らしい。

「流れ」を感じさせる曲だった。二つの時間、それは〈生命〉ということなのだろうか、その流れが、ゆったりと、そして速度を増し、寄り添い、少しきしみながら、また自由になってそれぞれが流れていく、そんなうつろっていく心的風景を想像しながら、「時間」という、目には見えないものを感じとりたくて、目をつぶって曲を聴いた。


続いて、津上さんの、"Rainy Park with Butterfly"。津上さんが昔、お父さんからポットの山椒の木をもらい、そこに居た二匹の揚羽蝶の幼虫を育て、それが羽化し、成虫になって、雨の日の公園で空へと放とうとしたのだけれど、蝶は雨の日は飛ばない習性があるらしく、雨をよけて、そっと葉の裏にとまらせて帰ってきたという、美しい思い出を曲にしたものだそうだ。

私は、聴いていて、結局は飛ぶところは見られなかった揚羽蝶だけれど、でも、曲の中では蝶が羽ばたいて、あるいは羽ばたこうとしている、ちっちゃいけれど、強さのある、〈命〉への眼差しのようなものを感じた。

優しく、でも力強い、津上さんらしい曲、そして演奏だった。


1st.Set 最後は、洋子さんの、"An Innocent Story"。「天真爛漫」ということなのだろうか、リズミカルな楽しい曲で、この曲は、洋子さんの曲なのだけれど、大人なのだけれど、子供心を残した二人のギタリストに演奏してもらった(加藤崇之さんだったか?)そうで、洋子さんの人間観が伝わって来る曲だった。



2nd.Set 初めは、ちょっと洋子さんが体調悪く、津上さんのソロでスタンダード3曲。"Be My Love"、"Moon River"、"Falling in Love with Love"。


津上さんのスタンダードのソロというのは聴くのが初めてで、洋子さんには申し訳ないけれど、これはこれで大変貴重な経験となって嬉しかった。え!津上さんが "Moon River"? と驚いたが、津上さんによると時々演奏しているらしい。


洋子さんが復帰し、最初の曲は津上さんの、"Cosmic Valley"。ちょっと幻想的で、しかし宇宙への、広い世界への視線を感じさせる曲。


最後の曲、洋子さんの "雨間(あまあい)" も、タイトル通り、雨の日に、雲間からほのかに陽が射しこんでくるような、優しく美しい曲だった。


今日の演奏、デュオという形式は、二人のやり取り、ソロと、演奏者の音をじっくり聴ける、わたしにとっては大好きな形式だ。そして何よりも、お二人のそれぞれ個性的なOriginal曲の素晴らしさ、ちょっとした心の中の旅をさせてもらった気分だった。


この美しいデュオとは、これからもずっと一緒に歩んでいきたい、そんな気にさせてくれる演奏だった。

「Tone Momentum」次回は、これも私が大好きなポリリズムドラムの秋元修さんをGuestとして加えた3人編成。どんな変化が加わるのだろう?これも聞き逃せない。

(森下治生)


.....................................................................


2024.01.25 新子安しぇりる演奏曲目

Tone Momentum

津上研太as 小林洋子pf


  1. On rainy days (Yoko Kobayashi)

  2. mosaic scenery (Kenta Tsugami)

  3. Time Difference (Yoko Kobayashi)

  4. Rainy park with Butterfly (Kenta Tsugami)

  5. An Innocent Story (Yoko Kobayashi)


1,2,3 はsax soloとなりました。

  1. Be my love (Nicholas Brodszky)

  2. Moon River (Henry Mancini)

  3. Falling in love with love (Richard Rodgers)


4. Cosmic Valley (kenta Tsugami)

5. 雨間[あまあい] (Yoko Kobayashi)




閲覧数:40回0件のコメント

最新記事

すべて表示

生きる

旅の途中

Comments


bottom of page