jazz tokyo LAL小野健彦氏のライブレポご紹介
- yoko kobayashi
- 2025年12月20日
- 読了時間: 2分
【私の2025live.vol.60】
横浜日の出町JAZZ FIRSTにて、THE DREIを聴いた。小林洋子(P)高橋将(EB)白石美徳(DS)
洋子さん曰く、エレベを念頭に書いた曲がある程度貯まり意中のベーシストを探していた所高橋さんと運命的な出逢いを果たし協働の途について以降何代かのドラマーを経ながら白石さんに交替して2度目の現場となったのが今宵とのことだった。
まあ、それはそうとして、洋子さんが志向したサウンドの肝を握るエレベの高橋さんしかり、前任の秋元修氏からスイッチした白石さんしかり、共に新進気鋭の表現者を招集したユニットだけに、編成だけを見れば、ピアノ×ベース×ドラムスという所謂ジャズの世界では定番のピアノトリオでありながらも紋切り型のそれには決して収まりきらないであろうことは重々予想した中での幕開けの時。
今宵披露されたのは、アンコールも含め新旧に亘る(中には高橋白石両名が生まれる前!に書き下ろされた作品も)オール洋子さんオリジナルソングブック11編の数々。中に1曲高橋さんに捧げられ彼をフューチャーした躍動感溢るる〈it's sho time〉が含まれたもののそれ以外の楽曲では、そこにメロディとリズムは存在するものの、それらが前面に出ることは無く、三者の間を行き交う「つくり」を持つところが心憎かった。
そこでは従来型のピアノトリオが持つメロディとリズムの役割分担の枠組みは取り外され各々が移り行く時間の中で其々の主体者となり互いに感応した鼓動に導かれた音の連なりにただ身を任せて行く在り様にこのユニットの真骨頂を観る想いがした。
そうして、我々の前に提示されたメロディは叙情に流れ過ぎないからこそその情感が余程際立ち、リズムに頼り過ぎない故にそのエッジが余計立った。
音数を絞ることで三者のインタープレイが存分に映えて、トリオとしての能動的機能性が強く誘発されて行く。
はしゃぎ過ぎることなく、終始適度な軽みに徹したこのトリオが描き出した単なる耳触りの良さに陥らない解体されたメロディの断片と、見え隠れしながらも確実に積み上げられて行ったリズムの断層が描いた流線型波動の中に立ち上がる音の総量が、静かに、しかし確実に私の心の襞をなぞった。



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