その日の仕事場に向かった。膨大な敷地にピッカピカの専門学校校舎がそびえ立っていた。recording engineerを目指す学生さんが通う学校だ。八王子あたりだったと記憶しています。
大学だと卒論、音大(器楽科etc.)だと卒演、音響関係の専門学校生が卒業試験で生演奏を録音するのは何というのだろう?卒録?
と言うのかは分からないけれど、その時録音される側の仕事で当時の音楽仲間が集まり、私は確か2日間出かけていったかな。
一人だけ、お名前は知っているけれど共演はなく、その日に初対面となったのが津上研太さんでした。(別日のフロントは竹内直さんだったかと思い返す)
昔々の話だ。
「あ~あの人が津上研太さんかぁ」と、向こうから歩いてくる研太氏を見てそう思ったのを今でも覚えています。今からは想像もつかないかもしれないけれど、その時の研太氏は「きっとこの人は人見知りなんだな」と、その表情から読み取れた。
ひゃー、皆ぴっかぴかのミュージシャンでしたよ。
何曲かquartetやquintetで演奏したけど、何を演ったか全く覚えていない。他メンバーも誰だったか忘れてしまい、津上研太さんがいて、他の皆もピッカピカのミュージシャンだったようなこと、後覚えているのは、普段乱雑に扱われているのであろう小さめのベーゼンドルファーの脚に亀裂が入っていたことと(泣)、卒録?に演奏内容(ピアノ)の良しあしは関係してくるのだろうかという不安くらいでした。
音響関係の専門家を育てる学校だったら、機材はもちろん、楽器も(しかもピアノはベーゼンドルファー)大事に維持していくことも教育できないで大丈夫なの?と憤慨した記憶がよみがえってくる。
自分がバンド演奏した音を、良い機材で録音したものをその場の良い環境でプレイバックしてもらえて、微妙な音色や細かいタッチまで聴こえてきて、とても勉強になったように思います。
現在のように簡単にいつでも録音できるような時代ではなかったから。
(あの時のengineerの卵さんたちが無事卒業できていることを願う、なんて今頃言っても遅すぎるか。)
話が逸れました。
ともあれ、
この日が「Tone Momentum」alto sax奏者:津上研太氏との初対面の日。
それからどのくらい時間が経ったのか、
研太氏をフロントにお迎えし、quartetで活動していた時期があります。
(bass 吉野弘志、drums 堀越彰)
今記憶の端っこをつついてみて思い出した!UNIT名は確か、「tasse blanche」とか何とかだったと思う。
オリジナル「18年のpromenade」を演ったとか、些細な事を今頃思い出す私。
(この長い間眠っている曲もTone Momentumで演ってみようなんて遊び心があふれ出す)
ピットインが移転して1年位経ったときだから何年前だろ。
津上研太率いるBOZO誕生前の話です。
当時、研太さんが作ってきた新曲を演って、まだタイトルが付いていないから私がタイトルを付けるように頼まれ、MONK調の節回しの曲だったので「MONKの殺し文句」と付けたら即却下された件(笑)から、今、あ!私のこれも眠っているオリジナル曲「オウムのおうむ返し」もTone Momentumで出来るかも、、、等と考えるだけでも楽しいな。
タイトル「MONKの殺し文句」が却下されたその曲もまた演ってみたい。
残念ながらこの「tasse blanche」はリーダーの資質に欠けに欠けていたため、1年半くらいの活動で終わりを告げたような気がします。
そして長い時間が経ち、私が音楽復帰して一年しか経っていない2019年の秋~冬だったか、果たして私はサックスとDUOで演奏できるのか自信は全くなかったものの、alto sax奏者:津上研太さんとまた演奏したいと思い、思い切ってDUOでの演奏依頼をさせてもらいました。
まだコロナなんて知らない頃、その時点でブックできたのは、2020年の4月。場所は新子安しぇりるです。
そして世の中みるみる内にコロナ禍となり、ライブハウスはどこも休業、キャンセルも相次ぎ、そんな中しぇりるまさ子さんがいち早く配信を決断され、第一回ライブは皆初体験の無観客配信ライブとなる。
今思えば、あの時、妙な一致団結、チームワークが出来上がっていたように思う。
私は何もできなかったけれど、まさ子さんと研太さんの力がとても大きかったこと、もう頭が下がる思いだった。
後にUNIT名を「Tone Momentum」とし、現在に至るのだけれど、結成約3年になるかな。
えっと、記録によると.......初回は2020年4月17日となっている。え?!まじちょうど3年だ。誰も(といっても2人だけれど)コロナにも罹患せず一度もキャンセルなく乗り切った最強UNIT。
双頭バンドだから役割分担もあってなかなかおもろい。
といっても私はライブ告知や動画編集しかできないのだけれど🙇🙇
津上研太氏は、様々のBANDで活躍してきて音楽体験も豊富だ。その引き出しの多さに驚かされる。
研太さん自身のBANDや、参加するBANDなどいろいろ聴きに行っても、Tone Momentumでは知らない世界があったりする。そこが特に凄い。
目を瞑って聴いていると、音そのものがTone Momentumのalto sax奏者と別人に聴こえるときもあるくらいだ。計り知れないものがあります。
これからどんな風に進化していくのか楽しみなUNIT。
Tone Momentumの音楽をもっと良いものにするべく精進したいと思う。
Comments