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執筆者の写真yoko kobayashi

師・辛島文雄氏

昨夜、横濱エアジンへ足をお運び下さった方々、また配信をご覧いただき聴いて下さった皆さま、本当にありがとうございました。感謝申し上げます。


今年の3~5月は特に、いろいろ考える時間ができたと同時に、昔のこと(好きなことに向かって、ただそれだけのために無我夢中で突き進んでいた頃のことなど)を思い出したりすることも多かったように思います。


精神的にも元気で、少しずつでも前に進むことができているのは、励みとなっている師の言葉があり、音楽を続ける勇気となっているのだとつくづく思います。


厳しい師でしたが、いつもその言葉には愛情があり説得力がありました。


1995年の阪神・淡路大震災の年、多くの被災者を支援するチャリティコンサートが新宿ピットイン主催で行われました。

日頃ピットインに出演しているミュージシャンによる、様々なその日限りのグループでの演奏でした。

私はセプテットだったように記憶しています。(曲はOLEO)


演奏が終わってステージ側から廊下に出ると、そこには、すぐ次は自分の出番なのに、出てくる私を待ってくれている師の姿が.....。

私は目を疑いました。その表情はとても温かくいつもの厳しい師の目ではなかったからです。

「誰が弾いてるのかと思って、思わず中に入って聴いちゃったよ。上手くなったなぁ、食ってくの大変だろう。

................こうやって今日同じステージに立てるのは感慨深いよ。大変だろうけど頑張って」


OLEOは師の十八番です。うっすらと目に涙を浮かべている、あんな師を見たのは後にも先にも一度っきりです。


まぁ、あまりにも不出来の生徒だった故のこととはいえ、

小さく聴こえてくるピアノの音に興味を持たせ、廊下でスタンバイする師の足を、中まで動かしたという出来事は、十分に私が音楽を続ける励みとなっています。


昨夜、師も良く出演していたエアジンでの演奏中、「お~、小林もいっちょ前にピアノソロでライブやれるようになったか。」という声が聞こえたような気がしました。

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