新参者Black Sabbath
- yoko kobayashi
- 10月2日
- 読了時間: 5分
秋の訪れを喜んでいるのか、今朝は窓を開けると野鳥が鳴いている。どこから聞こえてくるのか、しばしば下方で通りを走る車の音でかき消されるも結構長いこと鳴いているようだ。
近頃通りでよく見かけるハクセキレイだろうか、風も爽やか、うんうん、気持ちいいよね。
君も生きるのに必死だよね。
私もがんばるよ。
……….
このところ私は、会場でピアノを弾く際に今の私に適した椅子を探していた。極端に低くなり、音場によってはそこに置いてあるピアノの椅子を一番低くしても私にとってはまだ高く、一時はドラムスローンが高さの調節が出来てピアノ椅子の最低位置よりもっと低く出来るものもあると分かり、これが良いかと思っていた。
ネットで探したり直接店舗で見てみたりしたけれど、さまざま条件に合うものはなく、結局は私が現在自宅でピアノ用に使っている椅子を持ち運ぶことに決めた。
ドラムの椅子よりかなり軽く、頑丈なのも好都合だけれど、あくまでも自宅のピアノに合う高さなのでその辺は考えなければならない。
それで会場によっては高さの微調整が必要かと、厚さの違う数枚の低反発クッションと、その全てを覆う撮影用の黒い布とクリップも準備した。
さて、これらをどうやって運ぶか。
今ある2輪のキャリーケースは口が2cm小さい。
話は逸れるが、我が家のスーツケースやキャリーケースには全て名前(バンド名)を付けている。
YMO, Pink Floyd etc.
この2輪のキャリーケース(といってもショッピング用の車輪付きキャリーバッグなのだが)
にも名前がある。
あまり知らないと思うけれどPolkadot Stingray。
私は魚のエイの一種であるPolkadot Stingrayの大ファンで、そのフォルムと模様がとても愛らしい。
そんなPolkadot Stingrayと同じ名前の福岡出身のバンドが(一昔位前になるか)デビューしたことを知ったのだけれど、そのバンドの音楽の方にはあまり興味を持たずに終わったことを覚えている。
ただバンド名を私の好きなPolkadot Stingrayにしているバンドがあるのかと「(魚の)Polkadot Stingrayを知ってるの?」という一瞬の気を引かれるだけの出来事だった。
その後、一目惚れした2輪キャリーバッグ(水玉模様の黒と白が逆ではあるが)にPlkadot Stingrayと名付けた。
魚の名前だけど、まぁ一応バンド名でもある訳だ。
(略してPolkaと呼んでいる)
…………
話を元に戻すと
そんなこんなで今度はキャリーケース探しに悪戦苦闘する。2輪はどれもNG。
4輪の同じようなサイズのものはたくさんあるけれど、その大きさは椅子を横にして入れても微妙に小さい(深さが1cm足りない)。それに頑丈であってほしいけれどカート自体が重すぎるのも難儀だ。
もう少しだけ大きなものを探していると、何故だかどれも倍はあるだろうキャンプで使用するようなワゴンみたいのがずらりと出てくる。
中には、「ラグビー日本代表も使用」という触れ込みもある。
そんなんいらんとよってなって、悶々とすること一週間。
サンデーブルー・ブルーマンデーどころではなく、ブルーエブリデイである。
そんな中、ある日電車から降りて改札口に向かうと、ペットカートを押す女性が前を歩いていた。ワンチャンが微かに見えているではないか。おそらく中型犬だろう。
!!!閃いた
これだ、これしかないと確信した。
家に戻り詳しく調べて、これにしよう!と決め、やっと届いたその折りたたみもできるペットカートを見て、求めていたものにやっと出会えた嬉しさと同時に、急に緊張が襲ってきた。
人生初の挑戦に、これは運ぶ練習が必要かもしれない。運ぶものはワンちゃんではなくてただの椅子2つ(本来のピアノの椅子は幅があるため丸椅子を2つ並べることにしている)と、数枚のクッションと布とクリップなんだけれども、カートに全て入れて電車に乗って運ぶ練習しなきゃと思うも、ドキドキして、その練習もできないでいる。
さてどうする?
思い浮かべてみる。会場によっては客席用の低い椅子をお借りできるので、念のために2輪のPolkadot Stingrayで低反発クッションだけ持ち運べばよいと思うけれど、ペットカート使用の際、電車乗り換えで人でごった返す階段しか使えないところはどうする? 持てない重さではないけれど、足元が見え辛く、特に下り階段では要注意だし、まず人々の邪魔になるだろう。(急いでいる人多いもの。)
コントラバス奏者の、車で行くか電車で行くか問題が脳裏を過ぎる。
LIVEが終わって帰る時間は普通夜遅い。そんな時間にペットカート押してる人を駅構内や電車内で見たこともない。もしかして、電車内でそんな私の隣に立った人は、大きくて邪魔なカートだなぁと思いながら、きっと中を覗き込んで、ペットではなく違う物が入っていることに気づき、「あーこの人は長く飼っていたワンちゃんが亡くなって、極度のペットロス状態で、こうやって夜な夜なカート引いて彷徨ってるヤバい奴だ!」って思われてスーッと周りに人がいなくなるパターン?
ブルーエブリデイが続くと、人はこんなに被害妄想的感情に陥るのかwww
我が家にやってきたこの新参者のカートにBlack Sabbath(略してブラサ)と名付ける。
今後のブラサの活躍を祈るばかりだ。
アーメン
コメント