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solo piano って?

最近、ありがたいことではあるけれど、solo pianoでのオファーをいただくことが幾度かあり、生意気にも私はその度に辞退させていただいている。


この機会に私にとっての「ソロピアノ」を考えてみる。


確かに私は2020年に初のsolo albumをリリースしている。

けれど、それはそうしなければどうしても先に進めなかったという確固たる理由があったからで、カッコつけた言い方をするならば、過去に落としてきたものを未来へ探しに出る旅に出たようなものだった。観客のいないレコーディングという場であったから出来たようなものだった。


今私にとってソロで演奏することは、単なる独り言を言っているようにしか感じられず、ただの独り言は家でぶつぶつ言っていればよい。

え⁈声がけしていただいたものは何でも受けてこそプロでしょ!と言われればそれまでの話だ。返す言葉もない。

 


過去にライブハウスやコンサート会場で小林洋子soloという形(Music Chargeやチケット代が発生する場)で(一度の例外を除いて)演ることはなかったけれど、その例外とはソロアルバムリリース直後のレコ発記念ライブだった。

落としてきたものを探しに出る旅をもう一度最初からやらなければならないことは、私にとっては非常に困難なことであったのと、その困難なことを人に見られる・聴かれるのは何ともむず痒いものだったと記憶している。

むず痒いために、何となく取りつくってしまったように思う。

(あ!一回じゃない、そう言えばコロナ禍にDUOで予定されていたライブが共演者がコロナ罹患で急遽ソロになったこともあった)


私は、ある程度の条件も揃わないとソロではとても厳しい木偶の坊ときている。

改めて思い知らされたそんな事実がある。


そんな訳でやはりこの先もソロピアノのライブは出来ないだろう。

独り言をブツブツ言うだけのソロピアノの域を脱することができないのでは、ピアニストとしては失格なのか。


ソロは良く自己との対峙と言うけれど、自分を自分たらしめているものは何なんだろうという疑問を自分に投げかけ、自分の内側を深く掘り下げていく作業は、私には難題だ。難題すぎる。

そもそも内側を深く掘り下げるって何?

って私なんかは思ってしまうのだ。



ギター、ベース、ドラムスなど、それら以外の楽器とDUOの場合、大体完全にピアノ一人になる部分があるけれど、それはソロピアノとは全く別物だ。あくまでもDUOだと今の私だったら言い切ることができる。

またクラシックのピアノ曲のように楽譜になったものを一人で弾くのとも全くスタンスからして違う。



聴きたいミュージシャンのソロを聴きに行くと、とっても独り言には聞こえないし、聞こえないどころかその人の世界観や人生観まで見え隠れする。つまり聴き入り感動して帰る。

そんな感動はある程度の人生を歩んできた音楽家を聴きにいった時に多いけれど、

私もつまらない独り言じゃなく、人の心に響くソロピアノは果たして出来るようになるのかは疑問だ。


私が人のソロの演奏を聴きにいき、その素晴らしい音楽家たちからは共通するある空気感が漂う。


私の目指すところは強く穏やかに生きる、なんてでっかい夢があるけれど、

そんなことをとっくにやってのけてる人たちのように感じている。


いつも自分の意思で動き、自立していて、

人の意見を聞くという意味では敏感ではあるけれど、決して雑音に紛れてしまうことはない。


そしてイメージとして「つるまない」マインドがある。

自分のリズムや人生観で丁寧にライフスタイルを形成している人はつるんでばかりはいられない。


そして孤独な時間に自身を育んでいる。これは音楽家皆に言えることかもしれないし、そうではないかもしれない。音楽家でなくてもクリエイティブな仕事をする人は、いつも孤独と共存している、ように思う。


それでいて抜群のコミュニケーション能力も発揮する。


ピアノという楽器は一番音域も広く、リズム、メロディ、ハーモニー全部使って、最大限に表現できる楽器なのに、って思うけれど、

最大限に独り言ブツブツしか言えないのは情けないけれど、やっぱり私は人との会話ややりとりで良い音楽を作っていきたいと切に思う。



ソロピアノ用に作った曲が実は4曲あり、それは過去の落とし物を未来に探しに行く際の大切な「手荷物」のようなもので、あのレコーディングの頃と同じ気持ちにならない限り、その手荷物は必要としない。多分この先も人前で弾くことはないだろう。


自分の芯となるものができて揺らがなくなり、そんな時、逆に柔軟性も生まれて、もしかしたらソロピアノができるようになるのかもしれない。


可能性があるとしたら、やっぱり昔から思っていた、しわっシワのおばあちゃんになってからだな。

いやもうこの世にいないかもだ。


そのくらい私にとってのソロ演奏は必然ではなく、偶然でしかあり得ないもの。


blogに記しても、オファーして下さった方々に届くことはないだろうけれど、何故こんなに拒んでいるのか、自分の気持ちを整理したい気持ちになった。


最後まで私の独り言を聞いて下さった方々、ありがとうございました。



















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